先日、日本滞在の最終日に神楽坂を訪れました。
東京にはたくさん好きな場所がありますが、私にとって最も思い入れのある場所を一つ挙げるとしたら、間違いなく神楽坂です。
神楽坂を初めて知ったのは、今からずいぶん前、大手税理士法人に入社した頃でした。
入社が決まった時は本当にうれしくて、これから新しいキャリアが始まることに胸を躍らせていました。しかし実際に働き始めると、思っていた以上に厳しい世界でした。
それまで私は海外で生活した経験があり、比較的自由な雰囲気の会社で働いていました。そのため、年功序列や上下関係がはっきりした環境には戸惑うことも少なくありませんでした。
毎日目の前の仕事に追われ、慣れない環境の中で必死に働いていたことを今でも覚えています。
そんな時に私を癒してくれたのが神楽坂でした。
石畳の路地。
少し歩くと現れる小さなレストラン。
和食、フレンチ、イタリアンなど、個性的なお店が並ぶ街並み。
そして軽子坂には、今はもうなくなってしまった映画館がありました。
仕事のプレッシャーに押しつぶされそうな時、一人で映画館に入り、暗い客席で映画を観ていると、不思議と気持ちが落ち着いたことを覚えています。あの映画館も、当時の私を支えてくれた神楽坂の風景の一つでした。
会社の同僚と食事をしながら仕事の話をしたこともありました。
一方で、昼休みくらいは仕事から離れたいと思い、一人で食事をすることもよくありました。
神楽坂の街を歩きながら、「この先、自分はどんな人生を歩むのだろう」と考えたこともあります。
それから数年後には、神楽坂は私の生活の一部となりました。
当時は神楽坂の近くに住んでいたため、友人と食事をしたり、家族や親戚が東京に来た時に案内したりすることもありました。
神楽坂は、ストレスを抱えながら働く場所から、家のそばで心を落ち着ける場所へと変わりました。
人生のさまざまな場面に、神楽坂の景色があります。
そして今回、日本滞在の最終日。
帰りのフライトの前に、どうしても神楽坂に立ち寄りたくなりました。
レストランでランチを食べながら、窓の外を眺めていると、不思議な気持ちになりました。
これまで神楽坂で出会った人たちの顔が次々と思い浮かんできたのです。
- 一緒に働いた同僚
- 食事をした友人
- 励ましてくれた人
- すでに疎遠になった人
- もう会うことのない人
人生の中で人との関係は変化していきます。
ずっと続く関係もあれば、自然と離れていく関係もあります。
しかし、その時々で自分の人生に関わってくれた人たちがいたからこそ、今の自分があるのだと思います。神楽坂を歩いていると、そのことを改めて感じます。
若い頃は、未来のことばかり考えていました。
資格を取得すること。
キャリアを築くこと。
アメリカで働くこと。
いつも次の目標ばかり見ていました。
けれど年齢を重ねるにつれて、過去を振り返る時間も増えてきました。
あの時の経験があったから今がある。
あの時に出会った人がいたから今がある。
そう思えるようになりました。
場所には不思議な力があります。
ある場所を訪れるだけで、その頃の自分の気持ちや考えていたことを鮮明に思い出すことがあります。
私にとって神楽坂は、まさにそんな場所です。
これから先も日本を訪れる機会はあるでしょう。
そのたびに神楽坂に立ち寄るかもしれません。
新しいお店ができて街並みは少しずつ変わっていくかもしれませんが、私にとっての神楽坂は、これまで歩んできた人生を思い出させてくれる大切な場所であり続けると思います。
皆さんにも、そんな「自分の原点」と呼べる場所はありますか。
🎥 関連動画
今回の記事では、私にとって特別な場所である「神楽坂」についてお話ししました。
実は、この神楽坂で過ごした時間も、私の人生の一部です。
先日公開したYouTubeでは、
「3度の渡米、私はなぜアメリカを選び続けたのか」
というテーマで、交換留学、大学院留学、アメリカでの就職、結婚、家族、そして起業に至るまでの歩みをお話ししています。
この記事とあわせてご覧いただくことで、私がなぜ今アメリカに住んでいるのか、そして神楽坂が私にとって特別な場所であり続ける理由も、より感じていただけるかもしれません。
ぜひこちらもご覧ください。


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