少し前まで、子どもが自分でお金を稼ぐといえば、夏休みのアルバイトなどを思い浮かべる方が多かったかもしれません。
でも今は、YouTubeに動画を投稿したり、SNSで好きなことを発信したり、イラストやハンドメイド作品をオンラインで販売したりと、子どもがお金を稼ぐ方法も増えています。
趣味で始めたことが、いつの間にかIncomeを生み出すこともあります。
たとえば、16歳のEmma。
お菓子作りが好きなEmmaは、自分で作ったお菓子の写真や短い動画をSNSに投稿していました。
最初は家族や友達が見てくれる程度でしたが、ある動画をきっかけにFollowerが増え、広告やAffiliateなどから少しずつお金が入るようになりました。
そんなとき、Emmaのお母さんはふと思います。
「まだ16歳だけど、税金はどうなるの?」
アメリカでは、子どもだから税金が関係ない、というわけではありません。
そして、子どものTaxについて調べていると、Kiddie Tax(キディ・タックス)という言葉を目にすることがあります。
Kiddie Taxって何?
「Kiddie Tax」という名前から、
「子どもがお金を稼いだらかかるTaxなの?」
と思われるかもしれません。
実は、そうではありません。
Kiddie Taxは簡単にいうと、一定の年齢の子どもにInterest、Dividend、Capital GainなどのInvestment Incomeがある場合、その一定部分について親のTax Rateを使ってTaxを計算することがあるルールです。
つまり、子どもがアルバイトをしたり、自分で仕事をしたりしてお金を稼いだからといって、それだけでKiddie Taxがかかるわけではありません。
ここで大切になるのが、
「いくら稼いだのか」だけではなく、「どのようにしてそのお金を得たのか」
ということです。
EmmaがSNSで稼いだお金はどうなる?
Emmaが自分で動画を作り、SNSで活動して得たお金は、「まだ子どもだから」という理由で、そのまま親のIncomeになるわけではありません。
Emma本人が仕事をして得たIncomeであれば、基本的にはEmma自身のIncomeとして考えます。
たとえば、EmmaがSNSでの活動から$5,000のNet Incomeを得たとしましょう。
Businessとして行っている活動であれば、Emma自身のSelf-Employment Incomeとなる可能性があります。Net Earnings from Self-Employmentが$400以上であれば、原則としてTax Returnを提出する必要があります。
つまり、
「子どもが稼いだお金だから、親のTax Returnに加えておけばよい」
ということではありません。
そして、このようにEmma自身が働いて得たIncomeは、InterestやDividendなどのInvestment Incomeとは性質が違います。
稼いだお金をInvestmentしたら?
EmmaはSNSから得たお金を全部使わず、一部をInvestmentに回すことにしました。
その後、StockからDividendを受け取ったり、売却したStockからCapital Gainが出たりするようになりました。
するとTaxの話も変わってきます。
たとえば、
SNSでEmma自身が活動して得た$5,000
と、
StockのDividendやCapital Gainなどから得た$5,000
では、同じ$5,000でもTax上は同じようには扱われません。
Interest、Dividend、Capital Gainなどは一般にUnearned Incomeと呼ばれます。
そして、一定の条件を満たす子どもにこのようなUnearned Incomeが多くある場合に、先ほどのKiddie Taxが関係してきます。
2026年の場合、一定の条件を満たす子どものUnearned Incomeが$2,700を超えると、Kiddie Taxのルールを確認する必要があります。
ここで、一つ疑問が出てきます。
子どものIncomeなのに、なぜ親のTax Rateが関係するのでしょうか?
なぜ、子どものIncomeなのに親のTax Rateが関係するのでしょうか?
もしこのルールがなければ、親が値上がりしたStockなどを子どもへ移し、その後のInvestment Incomeを子どもの低いTax Rateで課税することで、家族全体のTaxを減らせる場合があります。
Kiddie Taxは、このようなIncome ShiftingによるTax負担の軽減を制限するために設けられたルールです。
そのため、Incomeそのものを親のIncomeに戻すわけではありません。
Incomeは子どものものですが、一定のInvestment IncomeについてはTaxを計算するときに親のTax Rateが使われることがあります。
ここはKiddie Taxを理解するうえで、とても大切なところです。
たとえば、親が高いTax Bracketにいて、16歳の子どもにはほとんどIncomeがないとします。
そこで、
「自分のStockを子どもにGiftして、これからのInvestment Incomeを子どもの低いTax Rateで申告したら、家族全体のTaxを減らせるのでは?」
と考えるかもしれません。
しかし、Kiddie Taxが適用されれば、一定部分のInvestment Incomeについて親のTax Rateを使ってTaxを計算することがあります。
ですから、
「子ども名義にすればTaxが安くなる」とは限らないのです。
親から子どもにStockをGiftしたら?
では、Emmaのお父さんが、
「EmmaもInvestmentに興味を持ち始めたから、自分が持っているStockを少しGiftしてあげよう」
と考えたとしましょう。
StockをGiftした後、そのStockからEmmaがDividendを受け取れば、そのDividendは基本的にEmmaのIncomeです。
そして、EmmaがそのStockを将来売却してGainが出れば、Capital Gainについても考える必要があります。
ここで、
「EmmaにはほかにほとんどIncomeがないから、自分がStockを売るよりEmmaが売った方がTaxが安いのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
Kiddie Taxが適用されれば、一定部分についてParent’s Tax Rateが関係する可能性があります。
さらに、親からGiftされたStockを売却するときには、Capital Gainを計算するためのBasisについても確認が必要です。
つまり、値上がりしたStockを子どもへGiftするときは、
「GiftしたときにTaxがかかるか」だけを見るのではなく、「子どもがそのStockを持っている間」と「将来売却するとき」まで考えておくことが大切です。
子どもや孫のために資産を作ってあげたいとき
子どもや孫の将来のために、早いうちから資産を作ってあげたいと考えるご家庭もあるでしょう。
Investment Accountを作ったり、StockをGiftしたり、将来のEducationや住宅購入のために資金を準備したり。
どれも家族の将来を考えて行うことです。
ただし、
「子どもの名義にすれば、子どもの低いTax Rateが使える」
と単純に考えることはできません。
特にInvestment Assetsの金額が大きくなれば、現在のTaxだけではなく、将来のDividendやCapital Gain、Basis、Kiddie Taxなども関係してくる可能性があります。
たとえば、長年保有して大きく値上がりしたStockを子どもや孫へGiftする場合。
「誰に渡すか」だけではなく、
「そのStockを将来売却したら、どのくらいGainが出るのだろう?」
というところまで考えてからGiftすることが大切です。
子どものために資産を渡すことと、Taxの面からどのように渡すかを考えることは、必ずしも同じではありません。
だからこそ、まとまったInvestment Assetsを子どもや孫へ移す場合には、実際にGiftしてからTaxを調べるのではなく、Giftする前にTaxへの影響を確認することが重要になります。
子どもがお金を稼ぐことは、お金を学ぶチャンス
Emmaのように、自分の好きなことからIncomeを得る子どもは、これからもっと増えていくかもしれません。
自分で初めてお金を稼ぐ。
その一部を貯める。
そしてInvestmentにも興味を持つ。
それは、子どもがお金について学ぶよい機会でもあります。
親にとっても、覚えておきたいことがあります。
子どもが自分で働いて得たIncomeと、Investmentから得たIncomeは、Taxでは同じように扱われるとは限りません。
そして、親や祖父母から子どもへInvestment Assetsを移す場合には、Kiddie Taxというルールが関係することがあります。
子どもがお金を稼いだ。
子どもがInvestmentを始めた。
子どもや孫にStockをGiftしたい。
そんなときには、
「いくらなのか」だけでなく、「そのIncomeはどのようにして生まれたのか」
を一度確認してみてください。
そして、大きな資産を子どもや孫へ移そうと考えている場合には、実行する前にTaxへの影響を確認することが、Family Tax Planningの大切な一歩になります。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のTax Adviceを提供するものではありません。Kiddie Taxや子どものTax Returnの取扱いは、年齢、Incomeの種類・金額、Student Status、Supportその他の状況によって異なります。


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