FBAR・FATCAとは?アメリカでの金融口座報告について解説

Tax

米国で税務当局に提出する必要があるFBARとFATCAについて解説します。
FBARの提出をしなかった場合、厳しい罰金が科される可能性がありますので、注意が必要です。

FBAR、FATCAとは、何でしょうか。

FBARとFATCAは、アメリカ合衆国における米国外の金融口座や資産の報告に関連する法律です。

FBAR (Foreign Bank Account Report)
FBARは、アメリカ合衆国市民、グリーンカード保持者、米国税法上において米国居住者である個人が、米国外の金融口座(銀行、証券、保険など)の総額が暦年のいずれかの時点で合計で10,000ドル以上の場合に提出する必要がある報告書です。この報告書は、米国のFinancial Crimes Enforcement Network (FinCEN)に提出されます。

FATCA (Foreign Account Tax Compliance Act)
FATCAは、アメリカの納税者が米国外の金融口座を所有している場合、それをアメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)に報告するための法律です。FATCAは、アメリカの納税者が米国外でどれだけの資産を保有しているかを把握し、海外の収益を逃れることを防ぐことを目的としています。

誰が提出する必要があるのでしょうか。

FBAR: アメリカ合衆国市民、グリーンカード保持者、またはアメリカ居住者で、米国国外に合計で10,000ドル以上の金融口座を所有する個人がFBARを提出する必要があります。署名権限のある口座も対象となります。

FATCA: FATCAは、アメリカ市民、アメリカ永住権(グリーンカード)保持者、または米国内に所在するアメリカの納税者が米国外に金融口座を所有している場合に対象となります。報告しなければならない金額のしきい値は、申告形式や在住地によって下記のとおり異なります。
・米国在住者で独身/夫婦個別申告:
 年度終了時の残高が5万ドル以上、または年間最大残高が7万5000ドル以上
・米国在住者で夫婦合算申告:
 年度終了時の残高が10万ドル以上、あるいは年間最大残高が15万ドル以上
・米国外在住者で独身/夫婦個別申告
 年度終了時の残高が20万ドル以上、あるいは年間最大残高が30万ドル以上
・米国外在住者で夫婦合算申告
 年度終了時に40万ドル以上、あるいは年間最大残高60万ドル以上

いつ提出するのでしょうか。

FBARとFATCAは、異なる報告書であり、異なる提出期限が設定されています。

FBARの提出期限
FBARの提出期限は、報告対象となる暦年の翌年の4月15日までです。ただし、間に合わない申請者には何の書類を要求されることなく6か月の自動延長が認められてるので、実際には10月15日までに提出することができます。

FBARを提出する必要があるのに適切に提出しなかった場合、違反ごとに$10,000を超えないペナルティが科される可能性があると告知されているので注意が必要です。FBARの提出義務を知らずに過年度にさかのぼって申告するケースも少なくありません。IRSが監査を開始した場合、罰金を回避することが難しくなるため、監査の対象になる前に早めに申告を行うことが重要です。適切なFBARの提出を怠らないようにし、罰金を回避するためにも納税義務を理解し、守ることが大切です。

FATCAの提出期限
FATCAはアメリカの納税申告書である「Form1040」に添付するかたちで提出します。したがって、FATCAの提出期限は、アメリカの納税申告書である「Form 1040」の提出期限と同じです。一般的な場合、アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)への申告期限は、報告対象となる暦年の翌年の4月15日までです。延長申請をした場合は、10月15日が締切日となります。

まとめ

FBARとFATCAは、税法上のアメリカの居住者が米国外の金融資産を一定額以上保持している場合、著名権限がある場合に報告する書類です。
FBARを適切に提出しなかった場合は、ペナルティが科される可能性がありますので、注意が必要です。
FBARは報告対象となる暦年の翌年10月15日が提出期限です。FATCAはForm 1040を一緒に提出し、延長申請した場合は報告対象となる暦年の翌年10月15日が提出期限となります。

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